はとり幼稚園は、昭和５３年に名古屋市最西部の田園地帯に創設されて以来、地域における幼児教育の拠点として役割を果たしてきました。自然豊かな緑に囲まれた富田公園やたくさんの絵本に触れることのできる富田図書館が隣接し、子どもたちが育つ環境として非常に恵まれている幼稚園です。平成３０年には４０周年を迎える今日では、未就園児の会や地域ふれあいの日の開催や近隣の保育園、小中学校、地域の方との交流が行われており、地域からも愛される大切な存在となっています。

　はとり幼稚園の魅力は、名古屋市内にありながら、子どもたちが日常的に自然に触れて過ごすことができる、環境のよさです。園舎の周りを１周できる回遊式の園庭には、桜、柚子、金柑などの木々のほか、子どもたちが育てている野菜、地域の方が世話をしてくださっている花などが植えられています。その裏庭には木登りのできる木もあり、そこを「お化け森」と呼ぶ子どもたちは、興味深く散策したり走り回ったりしています。さらに保育室から広がる富田公園の緑の景色が、四季の移り変わりを感じさせます。園歌には、うさぎのほか、蝉、かえる、ザリガニ、虫取り、いもほり、稲穂、北風、雪合戦などが歌われ、創設から４０年を経た現在でも、子どもたちはこれらの自然に触れて過ごしています。

　このような幼稚園を地域の子どもたちに残したいーそんな思いから「はとり幼稚園存続を求める会」は結成しました。

　平成２９年４月２６日、名古屋市教育委員会は突然「名古屋市立幼稚園の今後のあり方に関する実施計画（案）」の中で、幼児人口の減少に対応するため、「報徳幼稚園」（北区）を平成３２年度末に、「はとり幼稚園」（中川区）を平成３３年度末に、「比良西幼稚園」（西区）を平成３４年度末に閉園すると発表しました。これに対して、保護者説明会や、地域住民説明会、パブリックコメントで市民から多数の反対意見や質問が述べられました。３園の存続を求める署名は約2カ月間で延べ３３０００筆に達し、平成２９年７月３日、教育委員会に提出いたしました。しかし平成２９年８月９日、市民からのパブリックコメントが公表される前に、教育委員会教育会議により「報徳幼稚園」の閉園を１年延期と変更し、この計画が決定されました。

　私たち「はとり幼稚園存続を求める会」は、この計画の内容や進め方に疑問を抱き、見直しを求めるとともに、未来を担う子どもたちのために、長年に渡り培われてきた貴重な幼児教育の場を残せるように活動しています。

計画に対する疑問点

〇　幼児人口の減少に対応して、定員数や学級数の削減ではなく、園数を削減することの必要性が示されていない点

〇　計画期間中である平成２８年度以降の市立幼稚園の学級数の増減が、換算されていない点

〇　再編対象園の選定基準に、過去の長期的な充足率や地域の幼児人口、今後の人口増加の見込みが含まれていない点

〇　「１０年後の幼児人口の減少率を勘案し３園を閉園とする」としているにもかかわらず、「６年で３園閉園」と計画されており、早急に閉園す　ることの必要性が示されていない点

〇　閉園後の跡地・施設の活用について、具体的な計画が示されていない点

〇　今日的課題として「地域に開かれた幼稚園づくり」を掲げているにもかかわらず、そのモデルとなる園を地域からなくそうとしている点

〇　はとり幼稚園については、敷地面積の狭さが閉園の決定的要因となった点

〇　はとり幼稚園については、幼児人口の減少が充足率の低下につながったと考えにくい点

〇　平成２７年度～２９年度に、はとり幼稚園の充足率が下がった原因の究明と、改善するための対策や努力を教育委員会がしていない点

今後の計画に関する予定

平成３１年　ニーズ調査　

平成３２年　名古屋市議会にて「はとり幼稚園閉園」に関する議決会議

平成３３年度末　はとり幼稚園閉園

署名について

　多くの方のご協力のお陰で、H２９年度、はとり幼稚園の存続を求める会では１５７００筆の署名を集め、教育委員会に提出することができました。H３０年度も引き続き署名活動を行っていきます。街頭署名の日時については決まり次第ホームページにてお知らせ致します。

　尚、署名用紙を掲載させていただきました。ご協力いただける方は下のボタンをクリックしていただき、ご活用ください。その際、送付の方法等を連絡させていただきますので、代表メールアドレス（hatorimamorukai@yahoo.co.jp）または、問い合わせフォームにてご連絡いただきますようお願い致します。

 

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　平成３０年３月２７日、教育委員会より公開質問状の回答を受け取りましたので、報告させていただきます。